田島貴男は、やっぱり田島貴男だ

風街コラム駅伝第15回大会テーマ「しらけちまうぜ」(第6走者)
『しらけちまうぜ』執筆:田島貴男
http://www.kazemachi.com/cafe05/colum/index.htm

僕は、最近映画をほとんど見ないし、古典にも疎いので取り上げられている作品について何も書けないが、安心した。田島貴男は、やっぱり田島貴男だ。

 ところでポップミュージックにおいて、アメリカでは大人向けのロックがけっこうあるけれども、日本にはほとんどないように思える。僕ら日本人は、40歳を超えてまで日本語のロックなんかは聴きたくもねえということなのか。しらけちまうぜ。それじゃあつまんな過ぎるってんで僕はここのところ自分の年齢に沿った若者限定ではないロックを作ってやっているつもりなのだが、あまりうまくいかない。いまの僕の力はそんなところだ。

「あまりうまくいかない」と言い切る姿勢がいい。
オリジナル・ラヴの作品は、その全部が好きなのではなく、好きなのもあれば苦手なものもある。むしろ、他のお気に入りミュージシャンと比べて「苦手」な作品も多いくらいだ。
しかし、常に殻を破り続けようとする姿勢は、自分の心を掴んで離さない。普通のミュージシャンなら前作の悪かったところを修正して・・・となるところを、田島貴男は、一旦「さら地」にして一から作り直す。そういう効率を追わない、どこか馬鹿げたやり方が、とてつもなくスリリングで、いつも自分をわくわくさせてくれる。

くだらねえ、馬鹿野郎と叫ぶ。しらけちまうんなら、しらけちまえだ。爆発だ。

そんな風に言いながら、過去にすがらず、常に現在の自分を見つめ、ダメ出ししながら、組み立てなおす。
そういう田島貴男が、自分は大好きなのです。
このコラムを読んだだけで、次回作への期待が急上昇した。*1

*1:ちなみに「エピステーメー」はフーコーの言葉だとか。Wikipediaを読んでも何のことやらわからなかった。