ORIGINAL LOVE「Wake Up Challenge Tour」 (7/7(土)、人見記念講堂)

久しぶりのライヴ感想です!
良いライヴでした!
以下感想。

驚きの1曲目と、まさかの大プッシュのアルバム

目覚まし時計の音と、「Wake up!」というスクリーン上の文字が出てメンバーが登場し、まず一曲目は驚きの「It’s a Wonderful World」。
ライブの一曲目に全編ファルセットの曲をぶつけるのは、多分(ツアータイトル通り)チャレンジのはずなのに、発声はバッチリ。過去のライブで聞いたときに、「やはりこの曲に、CDレベルの完成度を求めてはダメなのか」と思ったのが嘘のようです。大感動の一曲目でした。
この曲が一曲目に来ている理由は明確で、このあとのラスト前までの構成を見ても分かる通り、今回のツアーは、『白熱』以降のWONDRFUL WORLD RECORDSのアルバムからの曲にこだわった内容になっています。
somedaysomebodyさんという方が、収録アルバムもわかる素晴らしいまとめをされているので、そちらから引用。

1.It’s a Wonderful World ?風の歌を聴け
2.線と線(16)ELECTRIC SEXY
3.クレイジアバウチュ (17)ラヴァーマン
4.エナジーサプライ (16)ELECTRIC SEXY
5.AIジョーのブルース (新曲)
6.ゼロセット (新曲)
7.ハッピーバースデイソング (シングル)
8.フランケンシュタイン (17)ラヴァーマン
9.あたらしいふつう (15)白熱
10.ふたりのギター(15)白熱
11.海が見える丘(15)白熱
12.セーリングボート (16)ELECTRIC SEXY
13.ソングフォーアクロバット (新曲)
14.一撃アタック(16)ELECTRIC SEXY
15.ラヴァーマン (17)ラヴァーマン
16.朝日のあたる道 ?風の歌を聴け
17.接吻
18.Two Vibrations ?風の歌を聴け
19.The Rover〜It’s a Wonderful World ?風の歌を聴け
【アンコール1】
20.月の裏で会いましょう ?結晶
21.LET’S GO!?EYES
【アンコール2】
22.希望のバネ (17)ラヴァーマン
https://lineblog.me/somedaysomebody/archives/1219680.html

改めて見ると、2〜15曲までの14曲が、『白熱』以降のアルバムで、個人的にはそのバランスにも驚きました。
つまり『白熱』3曲、『ラヴァーマン』3曲(+アンコール1曲)に対して、新曲4曲(ハッピーバースデーソングを含む)、そして『ELECTRIC SEXY』4曲
あくまで個人的な見解ですが、『白熱』『ラヴァーマン』という2枚の傑作アルバムの間に挟まれた『ELECTRIC SEXY』は、天邪鬼的な、いたずらっ子的な感性が爆発してしまったアルバムで、田島貴男にとって、黒歴史的な扱いなのかと思っていました。
実際、ちょうど同じブログに、昨年の人見記念講堂でのセットリストがあるので、確認してみると、当然のように 『ELECTRIC SEXY』 からは1曲もありません。自分自身も、ここ数年では「エブリデイ エブリデイ」以外では、どこかで「太陽を背に」を聞いた程度でしょうか。しかし、この2曲はアルバムの「癖」があまり出ていない2曲と言えます。
それが、今回一気に4曲。しかもアルバムの強い癖が出た「線と線」「エナジーサプライ」「一撃アタック」が選ばれており、かなり驚きました。(「セーリングボート」は、3曲と比べると、やや「普通」寄り)
中でも、メンバーが頭にロビンフッドの羽根をつけて演奏した「一撃アタック」。*1馬鹿っぽいタイトルながら、でも若さゆえの馬鹿っぽさ、という甘酸っぱい感じのする名曲だと改めて感じました。歌詞の内容的にも「ラヴァーマン」への繋ぎとして自然だったのではないでしょうか。

新曲と「It's a Wonderful World」再び

今回のツアーで初披露になった新曲3曲は、一度しか聴いていないので、何とも言えませんが、いずれも、「ハッピーバースデーソング」に比べるとチャレンジングな曲で聴いていて面白かったです。
「AIジョー」は、『エレクトリックセクシー』の2曲とピコピコの「クレイジアバウチュ」の後、という流れとタイトルからも分かるように、やや電子音より。変拍子部分で振り付けのある、少し変わった曲のようです。好みです。
次に「ゼロセット」。3曲の中では最もオーソドックスな曲だと感じました。シングルとして先行配信があるならこの曲でしょうか。ただ、全般的に、歌詞はあまり聞き取れなかったので、ゼロセットが何なのかは分かりません。卓球?テニス?
田島本人が「綱渡りの曲」と紹介していた「ソングフォーアクロバット」。特徴的なギターフレーズが印象的な曲でした。 その要因が何なのか上手く説明できませんが 、この曲が最も、これまでのオリジナル・ラブには無かった曲と言える気がします。
「ハッピーバースデーソング」も合わせた4曲は、互いに似ておらず、次のアルバムの方向性を推測することは難しいですが、全体の構想も含めてチャレンジを継続中ということなのでしょう。アルバムが楽しみになる新曲でした。
なお、アルバムの方向性とは無関係だと思いますが、「セーリングボート」の前のMCでは、最近は、歌詞を書こうとすると、すぐに「人生」について書いている自分に気づく、という話を自嘲気味にしていました。アルバム全部が「人生」だと辛いですが、1〜2曲は、みんな期待しているので恐れずに行ってほしいです!


最後に、16〜19曲目は、「いつもの」4曲ではありましたが、ラスト曲「The Rover」の終わりに、「It's a Wonderful World」を繋げてくる、という円環構造的なセットリスト。「To be free,not to be free?」という歌詞で終わらせる締めもカッコいいし、 「It’s a Wonderful World」 は今後もライブで何度も聞きたい一曲。

ツアーのコンセプトとオリジナル・ラブのこれから

ということで、「WONDRFUL WORLD RECORDS」祭りというコンセプトだった今回のツアー。田島貴男本人が言及していた通り、最新シングル「ハッピーバースデイソング」はVictorからの発売*2ということも考えると、年内に発売される予定のアルバムは、同じVictorからの発売と考えることが自然です。(本人は「お楽しみに」と言っていましたが)
それを考えると、ついに田島貴男がメジャーに帰って来る、その前夜祭的なツアーだったのではないでしょうか。*3
「希望のバネ」で言えば、

ひとりでいるときは
力を溜めるのさ
バネを縮め伸ばして
あちこち磨くのさ

という充電期間を過ぎ、

時が満ちたら
思い切りジャンプしよう

という状態なのでしょうか。
勿論、 WONDRFUL WORLD RECORDS の3枚のアルバムは、単なる準備期間・充電期間などではない、それぞれが力のこもったアルバムでしたが、「時が満ちた」今だからこそ、できる新しい活動に期待したいです。

(参考) WONDRFUL WORLD RECORDSのCD

★印は、SpotifyiTunesApple Musicで6月から配信開始になった5タイトル です。MCでも触れていましたが、この配信が、今回、これらのアルバムから多く演奏している理由の一つではあります。

  • WWCD-005:「RED CURTAIN ~Original Love early days~」(2011.3.2)
  • WWCD-006:★「白熱」(2011.7.27)
  • WWCD-006S:★「白熱(初回限定)」(2011.7.27)
  • WWCD-007:★「ひとりソウルショウ」(2012.06.27)
  • WWCD-009:★「Overblow Tour 2012 Live in Shibuya Club Quattro」(2012.11.21)
  • WWSP-001: 「ファッションアピール」(会場限定CD:2013)
  • WWCD-011: ★ 「エレクトリックセクシー」(2013.06.26)
  • WWSP-002: 「Lover Man」 (会場限定CD:2015)
  • WWCD-012: ★ 「ラヴァーマン」(2015.06.10)
  • WWCD-013:「ゴールデンタイム 」(2016.06.01)
  • WWCD-014:「ひとりソウルショウ2017  ―Selected from Shibuya Live−」(会場限定CD:2018.2)

WWCD-008、010が欠番になっているのが気になりますが、何故でしょうか。

参考(過去日記)

⇒まさに、 WONDRFUL WORLD RECORDS 最初期に、オリジナル・ラブの今後を予想した内容。ポニーキャニオンを出た頃、という今と正反対の状況の時期です。

最後に

入口でもらう広告類を探るまで、CASIOオシアナスの広告に田島貴男が出ていることは知らなかったのですが、この写真(下のリンク先のトップの写真)の服装の独創性に衝撃を受けました。記事タイトルの下の「田島貴男氏(ORIGINAL LOVE)」という表記も独特で、ここでインタビューに答えているのは、田島貴男ではなく、田島貴男氏(うじ)なのではないか、と思えたほどです。いえ、今誤変換して気が付きましたが、田島貴男氏(うじ)ではなく、田島貴王子(イヌイットの一部族の王子)なのではないか、と思えてきました。

*1:他会場ではおもちゃの弓矢を使ったパフォーマンスがあった、ということですが…人見でも後ろに置いてあったとの話ですが、披露されなかったのは残念でした…

*2:有識者の推測によれば、ペトロールズのトリビュート「WHERE, WHO, WHAT IS PETROLZ? 」、また長岡亮介との共作「SESSIONS」がVictorからの発売だったので、長岡亮介が繋げた縁だったのではないかとの説もあり

*3: なお、今回、わざわざMCで表記の話をしていたことを考えると、メジャー復帰時に表記を「オリジナル・ラヴ」に戻す というのもありかな、という気がしてきました。え?ありませんか。