日経新聞9/22(日)

レール幅拡大 1年放置(31面)

会見の様子は見ていないが、放置した理由を突っ込まれて「恥ずかしいが本当に分からない」と繰り返すだけというやり取りは酷い。維持管理に起因する事故は、これからも繰り返し起きると思う。東電のタンクからの汚染水漏れの事故も、かなり短いスパンではあるが、維持管理に関する不手際が問題だ。
勿論、十分にお金がないことが「放置」に繋がっているのだろうが、結局は、しっかり管理をし補修を行なえば費用は少なくて済む事態を引き起こした。これは、リスクを過小評価していたことを意味し、これからはリスク評価の精度を高めるためにどうしていけばいいかを考えなくてはいけないのかもしれない。

熱風の日本史(4)軍国女性「死の餞別」

記事の前半では、1931年に自決した井上千代子について取り上げられている。
戦場へ向かう夫への餞別として、「何一つ心配することはない」という遺書を残して短刀で喉を切って自殺した井上千代子の話は、美談として新聞のみならず、尋常小学校の教科書にも載り、映画も作られた。
この自決が、これまで家の中に閉じ込められ「何か国のために尽くしたい」と思っていた年配女性たちが社会に出るきっかけになったというのが記事の後半。
「国防婦人会」という組織は、出征見送り、慰問袋づくり、国防献金・千人針の呼びかけなど、様々な活動を行い、最終的には会員数は1000万人に上ったという。こういったボランティア組織も、次第に「入会しないのは非国民、国賊」といわれ、事実上強制加入になっていたというのも怖い。数年後には、国家総動員の“先兵”として「ぜいたく狩り」を務めるようになっていたというのだ。
シリアで街頭インタビューを受けている女性が、是非我が子を戦地に送り込み、国のために戦わせたい、みたいな発言をしていて驚いたことが最近あったが、それは日本でも同じようだ。戦争状態が、人間のネジを狂わせるということは世界共通なのだろう。

読書欄

未来の食卓 2035年 グルメの旅

未来の食卓 2035年 グルメの旅

本も気になるが、何冊か著書を読んだ中村靖彦による書評ということで注目した。
2035年という近未来に人類の食がどうなっているかについて以下のように予測しているという。

  • 赤チコリがサラダの材料の王になる
  • 魚は、第二のサーモンと呼ばれる養殖のスギがメインとなる
  • 試験管肉には可能性がほとんどない
  • アメリカでブームとなるのはエスニック料理と、インド料理、アフリカのサハラ以南の料理

和食については触れられていないというのが残念だというのはその通り。

これも、著作を読んで信頼している森岡正博さんが「中村桂子による渾身のエッセイであり、科学を志す次世代の若者たちへの熱いメッセージ」と熱く紹介。
東日本大震災での原発事故を踏まえて「科学者」はどうあるべきかを語ったもののようだ。かなり熱血を感じるので、自分には合っているかもしれない。


ウェブ社会のゆくえ 〈多孔化〉した現実のなかで (NHKブックス)

ウェブ社会のゆくえ 〈多孔化〉した現実のなかで (NHKブックス)

こちらも宇野常寛による書評であり、書いているのはチャーリーこと鈴木謙介。今までの本の中では一番読みやすいという評判も聞いたので、久しぶりにチャーリーの本を読んで勉強したい。


大地のゲーム

大地のゲーム

21世紀終盤の首都で起きた未曾有の大地震に絡めた物語とのことで、これまでにない題材がとても興味深い。綿矢りさもそろそろ読んでパワーを貯めたい。