日経新聞1/13(日)
春秋
付属高校からエスカレーター式に大学に入った学生は、就職活動で不利になる。そういううわさがあるそうだ。本紙電子版の連載企画「就活探偵団」で記者が採用担当者などを取材した。結論をばらすと、表向きは否定。しかし企業によっては本当の話なのだという。
現在の就活の問題について取り上げられている。冒頭の話、大学受験をくぐり抜けていないことで学力や精神力が鍛えられていないと見られるんだとか、うーん、と唸ってしまう。朝井リョウの「何者」が就活を描いた小説ということで取り上げられている。朝井リョウもちゃんと読まなくちゃ。
TPP交渉参加の壁 日米それぞれに「聖域」(3面・けいざい解読)
環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加問題が、政権の発足早々から安倍晋三首相に重くのしかかっている。2月にも訪米する首相は、日米首脳会談で参加を表明できるか。米政府と議会は、日本の参加を受け入れるか。乗り越えなければならない壁は、日米双方の側にある。
TPP問題について、米自動車業界が日本の交渉参加に反対している理由は小型トラック。日本の聖域がコメだとすれば、米国の聖域は小型トラックだという。利益率の高い小型トラックは、現在25%という高い関税で守られているためだ。
また、農業団体は日本の農産物市場の開放に特に意欲的ではなく、つまり米国内でも日本の交渉参加に否定的な声が大きいようだ。
米政府と議会の取り決めで新しい国が交渉に入る場合、手続に3ヶ月以上かかるという。TPP交渉の機会は、3月のシンガポール、5月のペルーを逃すと9月まで交渉予定はなく、年内の妥結を考えると、7月の参院選まで決断を先送りすれば参加が困難になる。
ということは、2月の渡米で明確な意思を示す⇒5月のペルーから交渉という道筋が現実的ということのようだ。
参院選という厄介な代物(2面・風見鶏)
上の記事と矛盾するが、負けられない参院選が控えているために。TPPの交渉参加にかじを切れないという内容。ここでは、選挙を理由にTPP交渉参加と高齢者医療費の負担増を先送りしてはならない、という記事のまとめ方がされている。改選議席121議席中4分の1を占める31の1人区の動向が選挙結果を決定づけるために、(1人区のある)地方の有権者を意識した政策に傾きがちだという。これから夏まで相当に忙しいとは思うが、参院選を終えてからやりたいことを始める、というズルは、やめてほしい。
「結婚」はどこへゆく 同性婚に揺れる米・英・仏(10面・中外時評)
きょう13日、パリを中心にフランスでデモがある。組織する側によれば、過去20年ほどない大規模なものになるだろうという。スローガンは「同性婚反対!」である。
昨年誕生した左派政権は11月、男性同士、女性同士の結婚を認める「万人のための結婚」法案を閣議で決めた。その前、夏ごろから宗教、哲学、医学などあらゆる分野を巻き込む是非論争が続いている。デモは、政権や国会審議への圧力を強めようと計画したものだ。
オバマの同性婚支持も話題になったように、同性婚を認めるのが時代の流れかと思っていたら、反対意見も根強いという。記事からわかる反対意見の主な論点は以下。
- 生殖にかかわらない結婚は結婚の基本的な規範の破壊
- 両性の親がそろっていないことの子への悪影響(両親が、父、母ではなく親A、親Bと呼ばれる…)
特に、後者の「子どもの立場」から見た問題提起が多いようだ。
記事の最後では、オランダで、同性婚のカップルに異性を加えた3人、4人の結婚のあり方を検討し始めた話と、iPS細胞によって男性が卵子を、女性が精子をつくることも可能という話も出てきている。
最近、海外で卵子提供を受ける女性が急増しているというニュースもあったが、技術の進歩に倫理・制度面が追い付いていない部分があるようだ。こういうことはあまり短期間の流れで議論が進んで決定してはいけないように思う。普段から少しずつ考えていくようにしたい。
経済学の考え方を知る(19面・今を読み解く)
経済学への案内役になる新書紹介特集。紹介されているのは5冊。まず2冊はミクロ経済学の基本について書かれた入門書。
後者の著者である小島寛之氏が「本物の経済学者」と評した宇沢弘文氏の『経済学の考え方』を挟んで後に紹介される2冊は応用の本。去年出版された本も3冊と新しい本が多く、中でも雑誌やラジオで目にする機会の多い飯田泰之さんの本は読んでみたい。
読書欄
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現在、私たち自身誰もが写真を撮影し、パパラッチになる可能性もある一方で、芸能人や政治家のように、その被害にあう可能性がある。写真の加工でイメージを作り上げる力を持つと同時に、facebookのタグ付けに代表されるように、知らないところで写真が公開され、イメージのコントロールができなくなってしまっている。
視覚を取り巻くジレンマは、平凡な日常生活へと影響範囲を広げはじめている。その広がりを理解し、改めてイメージの影響を考えるタイミングなのかもしれない。