次読む本に期待〜高野文子『黄色い本』

黄色い本 (KCデラックス)

黄色い本 (KCデラックス)

ちょっと、ぽかーん、としてしまう漫画でした。
ちょうど、一つ前に取り上げた美内すずえの漫画と好対照で、慣れ親しんだ漫画的文法が通用しないので、スラスラ読めない。何てことない日常を描いているにしても、普通の漫画とテンポが違うので、読み飛ばしてしまってから遡ったり、何だか落ち着いて読めない感じ。
高野文子さんは、どこかで知っているよなー、と調べてみると、見つかった接点は新井素子グリーン・レクイエム』の表紙と、北村薫の『円紫さん』シリーズ(『空飛ぶ馬』『秋の花』など)くらいでした。
グリーン・レクイエム (講談社文庫)空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)夜の蝉 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)六の宮の姫君 (創元推理文庫)
北村薫の、このシリーズ、5作も出ていて、主人公が成長していくんですね…また読みたい)


調べてみると、かなり、著名な方なんですね。

高野 文子(たかの ふみこ、1957年11月12日 - )は、日本の漫画家。新潟県新津市(現在の新潟市秋葉区)出身。看護師として勤める傍ら、1979年『JUNE』掲載の「絶対安全剃刀」で商業誌デビュー。従来の少女漫画とも少年・青年漫画とも隔絶した作風が注目され、大友克洋さべあのまなどとともに漫画界の「ニューウェーブ」の旗手と目された。デビュー30年で単行本6冊ときわめて寡作であるが、強弱のない単純な線と独特な演出方法、一読では理解しがたい心理描写などが特長とされる。

30年で単行本6冊というのは確かに寡作!2003年発表の『黄色い本』は、6作の中では最新作だとのことで、Amazonでも高評価ばかり30も評価が集まっています。
確かに、主人公の高校生が日々の生活の中で『チボー家の人々』を読み進めていく様子を描いた「黄色い本」は、現実に本の世界が侵食するような描写もあって独特の雰囲気が楽しめたし、「マヨネーズ」「二の二の六」も好き嫌いの二元論に収まらない微妙な心の動きが面白く読めました。が、やはり、高野文子ワールドに途中から入り込んだ身としては、ぽかーんな感じで、わけのわからぬままに通り過ぎてしまった感じです。こんな作風なんだとしっかり覚悟して読める次回以降が勝負かな。
なお、最近では、赤木かん子さんとタッグを組んだり、おじゃる丸の脚本などで知られる山田由香さんと児童向けの本を出しているようで、これらは読んでみたいですね。

先生のための「百科事典」ノート

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動物園ものがたり

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あとはやっぱり『チボー家の人々』。
この人もノーベル文学賞受賞者で、14歳の少年たちが主人公の青春小説ということで、最近、「14歳主人公小説」にハマっている身としては興味ある。でも長いんですよね…。

チボー家の人々 (1) (白水Uブックス (38))

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