伊豆の海とキラキラ感に浸りたい〜天野こずえ『あまんちゅ!』
28日は、よう太の2学期始業式だった。最近は8月末を待たずに新学期が始まるようで、ついに夏休みも終わってしまった。そこで、少し遡って夏休みの思い出と漫画を紹介。
旅と読書というのは相性がいい。これは本当だと思う。*1
夏休みに家族で訪れた伊東の旅館ロビーで、天野こずえ『あまんちゅ!』に出会ったことは、もはや今回の旅の必然とすら言えるほど、忘れられない読書体験となった。
- 作者: 天野こずえ
- 出版社/メーカー: マッグガーデン
- 発売日: 2009/08/10
- メディア: コミック
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この漫画の魅力を一言でいえばキラキラ感。
まず、光の表現が非常にうまい。日差しを受けて輝く木々や街並み、そして水面の反射が、とても印象的な絵柄だ。自分自身、何度も訪れて感じている夏の伊豆の空と海の魅力を十二分に表現できていると思う。冬に読んでも夏に戻れるくらいのパワーを持った絵だと思う。
そして高校入学〜ダイビング部への仮入部、そして新しい友だち、新しい先生という、人生の中でも一番希望に満ち*2、キラキラしている舞台設定が、絵柄ととても合っている。話が始まる前段階で、既にリングにタオルを投げ入れたいほど、読んでいてキラキラ感にやられてしまった。ダイビング部を舞台にしてはいるが、重きを置かれているのは、ダイビングというスポーツよりも新しいことが始まる期待感=キラキラ感だと思う。
ダイビング部の顧問と二年生2人を含む主要キャラクターは、言動に漫画的なところが目立ち、架空の場所が舞台であれば、フワフワした漫画になりかねなかったが、伊豆という場所のリアルさ*3で上手くバランスが取れていると感じた。登場人物は実在しなくても、エピソードの部分部分は実際に起きている話ではないかと思ってしまうほどで、それもまた読者をドキドキさせてくれる。
さて、まだ2巻途中までしか読んでいないものの、個人的には傑作間違いなしという印象を持ってしまったこの漫画。目下の悩みは、続きをどこで読むべきか、ということです。