日経概観1/6(日)

明日から仕事初めです。品川「戸越銀座」商店街の高校生の事件も含め暗い話ばかりが目に付くのは、自分の気持ちのあらわれかも。

YEN漂流 縮む日本(4)(1面)

見出しだけ読んでも嫌になる
「老若男女 夢持てず」「78歳マネー難民」「海外に資産非難」「口座開設お断り」
日本に見切りをつける人の海外投資熱が高まっている一方で、逃げ足の速い海外資金の流入は自国通貨を不安定にするということで、受け入れ側でも慎重になっているという。

戦争や飢饉で故国を追われさまよう難民のようなジャパンマネー。受け入れ国にも戸惑いが広がる。それでも国内に十分な投資機会を見出せない現実が個人を突き動かす。

ラストは東大のFX同好会の学生の日本に期待しないというような視点が紹介されているが、「この国には希望がない」という希望の国エクソダスの言葉を思い出してしまった。

試される日本の耐久力 原油100ドルの時代(上)(3面)

1バレル100ドルという10年前の10倍の原油高の影響について、以下の二つのメリットをあげながらも、総じれば悪影響が大きいと説く。

  • 二度のオイルショックを経て培ってきた日本企業の省エネ技術が原油高時代では強みになる。
  • 購買力の上がった産油国への、日本製の自動車や家電の輸出が増える。

悪影響は、原油高のコストを企業、家計のどちらが負担するかで変わるのだが、1バレル100ドルが一年続いた場合、企業が負担すれば、経常利益は8.8%減。家計転嫁では、家計の可処分所得1.5%減となる。(第一次石油危機のときは全て企業が負担したかたち)
タイトルで「日本の耐久力」とされているよう、誰が負担するかという国内のメカニズムが問われている、と結ばれているが、やはり値上げは怖い。特に食品関係の値上げのニュースには、日々戦々恐々としている。例えば一昨日のニュースでもこんなのがあったし、原油高以外にも複合的な要因で、どんどん食べるものは高くなっていくのだろう。(本物は)

かまぼこやちくわなど練り製品に使うすり身の原料となる米国産スケソウダラの2008年の漁獲枠が前年比39万4000トン(28%)減の100万トンになることがほぼ決まった。練り製品の価格に一段と上昇圧力がかかる。すり身を買い付ける水産会社や商社の収益を圧迫する要因にもなりそうだ。

例えば、宮城県では、フードマイレージの制度なども取り入れていくようだが、原油高が進めば、自然に遠くから来た輸入物は、ある程度価格に転嫁せざるを得なくなってきて、環境面への配慮ではなく、家計を考えて敬遠する状況が生まれるのでは?

地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量を削減するため、宮城県は2008年度、排出抑制の総合計画策定に乗り出すことを決めた。温暖化対策が主要議題となる7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)に合わせ、民間と協力した温暖化防止活動に取り組む。独自の「フードマイレイージ制度」や都市部へのマイカー乗り入れ低減など、地方発のCO2削減策を発信する。

バーゲンセールなぜ前倒し?(25面・エコノ探偵団)

最近のエコノ探偵団の中でかなりのヒット。
前倒しの状況は以下の通り。

  • 百貨店の冬物セールは1980年代まで1月中旬に始まるのが普通だった。
  • それが徐々に前倒しとなり、90年代に初売りと同時スタートに。
  • その初売り日もかつては1/4が主流だったが、2003年以降は1/2が主流に。
  • さらに近年は、12月中にバーゲンが始まっている売り場もあり、福袋も年末に販売している(日本橋三越

理由は

  • バブル崩壊後、低迷した売り上げを伸ばすため
  • 駅ビルなど他業態との競争が激化したため
  • 四半期業績の開示のために、従来以上に計画生産して在庫を圧縮する必要が出てきているため

これらと合わせて消費者ニーズの変化もあり、セールは前倒し、短期化、回数増(夏冬二回ではなく四回のところも多い)の傾向が進んでいるという。
海外旅行のために冬でも水着が売れる、という例も挙げられて、百貨店の繁閑の差が縮小しているとの説明があったが、結局、それは百貨店勤めの人が年中忙しく働いていることを示しているわけで、どこも忙しいのだなあ、と変なところに目が行ってしまう。企業経営を考えれば、安定的な売り上げ=季節感は無い方がいいということになってしまう、というのも寂しいなあ。