日経概観(4/22)
石炭発電CO2排出ゼロ/日米中など5ヵ国で開発 年内合意/温暖化対策欧州と競う(一面)
CO2排出がゼロになるわけではない。
以下の技術で排出量を「ほぼゼロ」にするというもの。
- 酸素を使って石炭をガス化して発電効率を高め、CO2排出量を従来型より2割減
- 発電の際に生じるCO2を液化して地下貯蔵庫にとじ込めるシステム
発電のコストは「従来型の約2倍に膨らむが、2020年代には採算に合うようにする」。
「石炭火力が発電量の2割超を占め」*1る日本も、次世代型の石炭火力発電の開発に、5年で1千万ドル以上を拠出するという。
石炭の分離・地中貯留技術については、いつも引用する安井至教授のページを参照。
問題点は以下の通り。
- 地球温暖化防止のために、従来以上のエネルギーを使用するという構図になっているわけで、温暖化で困るのがましか、それとも、化石燃料が枯渇して困る方が良いのか、という議論が必要
- 封じ込めた二酸化炭素が漏れ出す恐れがある
- 地中化する場所が問題で、日本では「地中」は場所がないため、「深海」もしくは「海底下」になるが、そのための技術が未確立。
エネルギー問題については、悲観的になってしまうので、特にコメントしません。
通貨バスケット 夢と挫折(3面:けいざい解読)
ユーロのような統一通貨を目指したアジア通貨単位(ACU)の構想が頓挫した理由について。
- 日本主導で行っていたものの、各国の通貨の重みを決める必要があり、アジア各国の同意が得られない
- 米国も、IMFで扱うべき問題と考えている
など四面楚歌のなか、旗を降ろすしかなかったということのよう。
結びの言葉にあるように「日本は経済統合で主導的な役割を果たしたいところだが、アジア各国や米国の期待は高くない」という。寂しいが、期待を生むように個々人が努力するのと合わせて、やはり、よく言われるPR下手がここでも響いているのかも。
「お客様」がご来院!(スコープ:9面「医療」)
「医療コンジェルジュ」のサービスを始めた東京ミッドタウンメディカルセンターについて。
先日テレビで、インドの医療サービスの特集をしていたが、メディカル・ツーリズムと呼ばれる動きがあるという。
笹山登生さんのブログより引用。
メディカル・ツーリズムとは、観光と医療サービスをセットにしたパッケージツアーのことで、外国人旅行者に人間ドック、美容整形、視力矯正手術などの医療サービスを、観光客の本国よりも、安く、そして、その国ならではの、伝統的療術もあわせ、提供しようというツーリズムだ。
インド、タイ、ギリシャ、パナマ、アラブ連邦、中国、フィリピン、シンガポール、バングラディッシュ、アルゼンチン、などなどで、盛んになっている。。
インドの医療が魅力的なのは、最先端の技術と、医者の「腕」。手術の臨床例が多いことが、「ツーリスト」への安心感につながっているという。
つまり、日本の医療に必要なのは、優秀な医者の育成システムであって、「コンシェルジュ」はその次。などと、先日、病院の待合室で漫画『医龍』を読みながら思ってしまったのでした。
生態系乱す外来生物④オランダガラシ/雑草化、水路埋め尽くす(ネーチャーウォッチ:29面)
クレソンのこと。
対抗する在来種はセリだが、もちろん他の希少植物にも影響しているという。
これも水質浄化目的で栽培されている地域もあると思う。
「食べられる」ことを考えると、対処の方法は「埋め尽くす」前に「食べ尽くす」とはならないか。